岩波 1981年
1 野呂 榮太郎(のろ えいたろう、1900年4月30日 - 1934年2月19日)『日本資本主義発達史』
『日本資本主義現段階の諸矛盾』――Aアメリカに経済、貿易関係で決定的依存。B中国抗日、帝国主義の争覇 日本の利
権が脅かされていた。
2 羽仁五郎 「東洋における近代資本主義は、東洋に置ける近代以前なるもの、アジア的生産様式を、最後まで解決し得ない。けだし、近代資本主義自身が帝国主義の段階に入るや、帝国主義の支配は、東洋に置ける遅れた社会関係、近代以前的なるものによる支配の維持を通じて、自己を維持する物となっていたからである。」
3 日本の「近代化」論にたいするわが国歴史学界の検討——
金原左門『「日本近代化」論の歴史像』(中央大学出版部、1968年)
和田春樹「近代化論」『講座日本史』9、東京大学出版会、1971年。
松本三之介「伝統と近代の問題」(岩波講座『日本歴史』24、1977年)
第二編 第三章
1 まず検討を要するのは、対外従属と危機の渦中において、しかも短期間に旧封建支配体制の解体と国家統一=資本主義化の諸条件を産み、かつそれを制約した基礎的な国内の歴史的前提としての、幕末維新段階にいたるまでの農民的商品生産の発展および農民層の分化の特徴の問題。
2 多肥、多労働に依存する棉、菜種、甘蔗などの「箱庭」的経営形態は、商品生産であるとともにまた零細「百姓」のそれに照応した形態であって、「富農」的経営拡大=プルジョア的両極分解を可能にも有利にもする農具改良=労働生産性の増大が欠如しているのが、その最大の特徴の一つであった。かかる条件では、大経営は相対的に小経営のそれを単純に累加する人手を要し、封建貢租のみならず、肥料、労賃の増大がそのまま直接の重圧となって、経営の拡大を阻害するであろう。
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