2011年6月20日月曜日

日本における近代化問題 細谷千博

1, 1965, Conference on Modern Japan.
2, 巻一 Changing Japanese attitudes toward Modernization. 日本における近代化問題
3, 巻二 The State and Economic Enterprise in Modern Japan. 日本経済近代化の百年――国家と企業を中心に
4, 巻三 Aspects of Social Change in Modern Japan.  近代日本における社会変化の諸相
5, 巻四 Political Development in Modern Japan. 近代日本における政治展開
6, 巻五 Tradition and Modernization in Japanese Culture.日本文化における伝統と近代化
7, Dilemmas of Growth in prewar Japan 戦前日本における成長のディレンマ

8、 主観的評価で色付けられており、極度に単純化されている。
9、近代化を測定する規準は、西欧自身の近代化の経験に固有な価値に求められるべきと、ほとんど異議なく考えている。

10、岡倉天心、西洋を物質主義の故に非難し、アジアの真義である、古くからの内面的真理への回帰を訴えたが、同時代の日本人たちは、西洋の模範の前に心を奪われたままでいた。日本の伝統的価値の高らかな宣言である『国体の本義』の中においても、日本の近代世界での役割は、東西の精華の融合にあるとしるされた。

10、日本人と白人との雑婚の必要を説いた井上馨。日本語の廃止を提唱した森有礼。
11、矢内原忠雄 『現代日本小史』(巻二、1952)。「日本の近代化〜〜簡単にいえば、日本の社会および文化の西洋化」
12、近代化について、統一的かつ客観的な概念を考えだすのは容易なわざではない。というのは、そのためには学者はまず第一に、自己をとりまく歴史の現実の流れから身を引き離し、次に、近代社会の基底にある価値についての先入観があれば、それをすてるよう要請されるからである。
13、断定的な判断は受け入れ難くなっている。
14、近代化という言葉、実体が何であれ、
15、名目論と実念論との間にある、概念上の問題の処理における深刻な相違は、容易に解消できない。
16、『開発途上の諸地域での政治』The politics of Developing Areas. G.A.Almond and J.S.Coleman.
近代社会の特性 都市化、読み書き能力、比較的高い、個人あたりの所得、社会的移動、商業化と工業化、マスコミ、ネットワーワ、社会成員の政治への参与、科学的知識の発達にもとづき、環境にたいする個人の態度が、合理的かつ非宗教的になる傾向の増大。
17、Webber 合理性の概念――哲学や世界観における合理主義と、何ら必然な連関をもってないこと、それは目的合理性――方法と目的の合理性である。一定の目的の達成のために適当な方法――適当の技術――の創造を含んでいる。
18、丸山真男、最初から、規準の修正表は観念の世界の軽視の点で均衡を欠いていると考えており、したがって個人の価値体系に一層考慮が使われることことを求めた。
19、坂田吉雄 日本人の価値観における質的変化を強調した。「徳川の日本で善とされたものが、明治の日本では悪とされた。以前に悪であったものが後に善となった。これが、日本の伝統の時代を近代の時期と分つ決定的な差異である。」
20、高坂正顕、われわれに興味あるのは、近代人である。近代社会の理論的な定義に加えて、近代人を問題にしたいと思う。
21、川島武宜 「『民主主義』そのものは、言うまでもなく、日本人にとっての最大の関心事である。『民主主義』のための政談的=政治的行動の動機づけにとって重要な役割を演じたということ、種々の陣営のイデオロギーにとって重要な『問題』であったということ――これは歴史的事実として、経験科学にとっては見るのがすことのできない研究対象でなければならない。しかし、少なくとも、『日本の近代化』を研究題目としてえらんだ研究会議において、この問題を研究対象の視野の中に、しかも重要性をもつものとしてとり入れないことは、かたよりすぎているように私には思われる。それのみではない。この問題は、『近代化』という歴史的過程に置かれている全ての社会〜〜〜何時かは、何らかの程度で、経験するであろうところのものであり、ソ連、中共やアジア、アフリカにおける社会的変革をも『近代化』という判断くわぐみで捉えて分析の対象としようとしているこの会議で、この問題を全く取り上げないということは、私にはどうしても不可解であった。今日におけるアジア、アフリカ、中南米における諸社会の歴史的変化の動きは、『民主主義』の価値や、それによる動機づけを無視するなら、とうてい正確には分析され得ず、その将来についての予見をも誤るであろう、と私には思われるのである。
22、『民主主義』や『人権』等の『価値』が日本の近代化において社会的=政治的行動の動機づけにとって重要な役割を演じたということ、種々の陣営のイデオロギーにとって重要な『問題』であったということ、――これは歴史的事実として、経験科学にとっては見のがすことのできない研究対象でなければならない。

23、「過去三世紀の歴史は、大筋において、民主主義による衝撃の歴史である。〜〜民主主義反対の急先鋒のひとですら、非支配層への自己の立場を正当化するためには、民主主義のことばを使用せざるをえない。現代が安定性を欠き、動乱に満ちている根本的理由は、民主主義の理想が世界中にいたるところで、魅力と感ぜられるようになってきたがためにほかならない」

24、日本の近代化、文化の変容と文化の接触との複合体である。
25、徳川期に対する再評価――扉を開ける手は外からノックする手に劣らず
26、西欧の自由主義者と日本のマルクス主義者はともに、しばしば日本の近代史を、ゆがみとおくれという概念によって説明しがちである。つまり、日本の近代史道程は、ある種の西欧のモデルと一致しないという理由から『ゆがんでいる』とされる。
27、近代化についてはの、日本の理論家の多くは、明治日本の特徴して彼等のひどく嫌悪するものの多くは、実は日本の近代化の過程自体の付随的現象かもしれないという可能性については、決して考えようとしない。
28、遠山茂樹 
ごく最近まで、日本の学者の関心を集めたのは、政治や思想をどのようにしたら民主化することができるかという問題であった。このためには、次のような学問上の問題を解く必要があった。A 商工業の面で資本主義経済が支配的な力をもちながら、なぜ農業や農民生活は、前近代的な要素がひろく、またつよく残ったか。B 議会や法律の近代的な制度が整備したに拘らず、なぜ、軍国主義や軍部、官僚の専制的支配が続いたのか。C 教育が普及し、欧米の思想が盛んに取り入れたにも拘らず、知識人の場合でも、日常生活の行動を兄弟する考え方は、家父長制的な、あるいは身分制的なものが強かったのはなぜか。

第二章 近代化に対する日本人の態度の変遷




















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