2011年7月4日月曜日

『近世思想史研究の現在』

『近世思想史研究の現在』  衣笠安喜(きぬがさ・やすき) 立命館大学

1. 『近世儒学思想史の研究』 法政大学出版局
2. 『近世日本の儒教と文化』 思文閣史学叢書
3. 『近世私塾の研究』 海原 徹 『近世の学校と教育』 海原 徹
4.
第一章 丸山真男『忠誠と反逆』を読みなおす――フィクシュン性の自覚

5. 本稿で試みるのは、この書にあらわれた丸山真男の思想を今どうよめるか、ということである。
6. 思想史研究が、その時代の歴史的刻印を濃く受けるのは当然である。
7. 「作品…その具有する歴史的性格をそれとして尊重する」
8. 最近の丸山批判は、ほぼ二つの要因が構造的に結びついている。一つは、「近代主義」への決別をこめて丸山思想史学を永遠の眠りにつかせようとする傾向、いま一つは、特に「歴史意識の「古層」」などに対してだが、出口のない自己同一的な「日本主義」や日本文化論と土壌を同じくしその枠組に参与する結果を招いたとする批判。
9. 丸山は、「近代主義」と「日本主義」とを構造的にもっている者として、どうしても克服しなければならない対象となるのである。
二、研究史
10. 『週刊読書人』、1992年10月12日号。
11. 中野敏男:「忠誠と反逆」はある思想が諸要因の異なったコンステレ―ションの中では意味を変質させる点を重層的に打ち出したのに比べ、「古層」論文は、「日本」というものを実体化し思想を「日本」の同質性に解消させてしまったとする
12. 米谷匡史「丸山真男の日本批判」『日本政治思想史研究』以来の丸山の軌跡を丁寧に辿りながらの批判的叙述。

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