2011年7月4日月曜日

在村知識人の儒学

在村知識人の儒学   川村 肇   思文閣出版

1. 問題、日本の教育の近代化の前題条件と質とは何であったのか?
2. 本研究において在村の知識人と称する人々の、儒学知の性格の分析である。
3. 本研究に究極においてめざしているのは、地域民衆の学習内容の変化と、その変化を提起した農村の教育指導者たちの学問観、教養形成との史的教育的交渉を実証的に明らかにしたうえで、当時の日本における知的変動が、いかなる質の近代化の前提条件を準備したのかを解明することである。
4. 日本教育史
5. 近世民衆教育史研究の流れについて、特に儒学思想史の研究を主たる対象として研究整理を行い、
6. 農民であった在村の知識人の儒学理解を、吉田芝溪(しけい)。在村知識人の教養形成とその儒学理解を考察する。
7. 若尾政希(わかおまさき)、安藤昌益の研究。史料批判も難しい昌益の著述について、一点一点テキストの文字レベルに注目し、その知的形成の過程を丁寧に追っている。――史料として各地に所蔵されている著述の他、手紙などを含む私文書や稿本レベルにまで求め、
8. 在村知識人、体系的な著述を展開していることが少ない。
9. 子安宣邦、『「事件」としての徂徠学』、『本居宣長』――思想を出来上った形で評価すれば事足りると考えていたわけではない。思想を直ちに思想史の中に位置づけようとする前に、まずその思想が説きだされた、その言説空間に立ち戻って、説きだされた思想そのものを検討の俎上に載せようとしている

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